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2003・08・13(水)〜2003・08・17(日)

四国88箇所、全行程約1220キロにおよぶ「お遍路」と呼ばれるそれは、
今からおよそ1200年ほど昔に「弘法大師 空海」が開いたといわれる四国修行の行程のことである。
 1番から88番までの番号がふられた寺院が徳島県を先頭にして四国を時計回りに点在しており、すべて巡拝終われば四国を一周できるようになっている。
「八十八」という数には人間の持つ煩悩の数という意味が込められているらしく、
その一つ一つを巡拝していくことによって己自身を鍛えていくというのがこの「お遍路」なのである。
「お遍路」を巡礼している人たちのことを総じて「お遍路さん」と呼び、中でも歩いて巡拝する「歩き遍路」がよく知られているであろう。
「歩き遍路」というのは日数的にはだいたい50日以上必要とし、そして宿泊等の費用も平均35万円〜40万円とサラリーマンの私には決して現実的でない。
なので、今回の旅では必然的に車で移動する「車遍路」を選択するlことになった。
もちろん今回も頼りになる愛機S2000が活躍することになる。
 
今回、長期休暇を利用した毎年恒例の旅に「お遍路」を選んだ理由には、特に宗教上の理由や病気・不幸などの災厄からの救済といった大きな目的があったわけではなく、
自分を見つめる一人旅としては「修行」の場所である「遍路」がとてもマッチしているのではないかと思われたのと、
以前から制覇してみたかった「四国大陸」を一周するのに何らかの目的がともなったほうがより楽しいのではないかと思われたことが挙げられる。
 
 「お遍路」には1番札所霊山寺から順番に回っていく「順打ち」に対し、88番大窪寺から逆順に回っていく「逆打ち」という巡拝方式が存在する。
今回、順打ち出発点である徳島県では12日から「阿波踊り」が開催されることになっており、
その混雑を避けるという理由から、初お遍路にも関わらず私「とと」と愛車Sは香川県から始まるその「逆打ち」を勇猛果敢にも選択したのである。
一般的な「順打ち」に対し上級お遍路さんでも迷ってしまうという「逆打ち」が、
順打ちの3倍の功徳が得られるといわれているほど過酷な行程であるにもかかわらずだ。
 「いくらお遍路が過酷だと言ってもこれだけ観光的なイメージがあるわけだから大したことないだろう。」とたかをくくっていた私であったのだが、
この「逆打ち」という選択が旅の後半に大きな影響を及ぼすことになろうとは、出発のこの時知る由も無かったのである。
 
タイムリミットは8月17日までの5日間。その間に88箇所すべて巡拝できるのか。

旅は四国香川県88番大窪寺から始まる。

第1日目  第2日目  第3日目  第4日目   最終日

お遍路に出かける前に。
スタート! 第1日目
88番
大窪寺
いつものことであるのだが、今回も前日飲み会に出席(笑)。アルコールの抜けきらない体で早朝5時に起床して出発。
京都から舞鶴道ー中国道ー明石大橋と乗り継いで四国上陸が9時半頃となってしまった。
まあ1日平均17寺ほど回れば完全巡拝は楽勝という計算だったので、そんなにも慌てず一路88番大窪寺(おおくぼじ)へ向かい10時頃の到着となる。
が、ここでいきなり四国の「酷道」の洗礼をうける。
「な、なんじゃこの道は〜?(汗)Sで幅ぎりぎりだー。」
 この時は早速直面した険しい参道に思わず狼狽したが、今から思えばあの程度の道はこの後襲いかかってくる四国の道たちに比べれば「一級道路」並みの広さだったに違いない。。

門前の売店で所謂「四国遍路グッズ」を購入。信心が無いとはいえやはり一応少しでも装束をそれらしくしようと思い売店を物色した。
普通ならほとんどの人は1番札所のお寺で買い揃えるため、大部分のお遍路さんが「結願」(けちがん=すべての寺を巡拝すること)とするこの寺ではあまり積極的に身支度品を売っていない。
 自分で棚の奥のほうから定番の「菅笠」をひっぱり出してきて「これください。」と売店のおばさんに申しでる。

「おにいさん、これからお遍路さん?」とおばさん。
「はい。初めてなんですけど逆から回ろうと思って。」
「そう。逆周りは慣れたお遍路さんでも迷うことがあるから気をつけてねえ。」
「はい。ありがとうございます。」


言葉少なく見送ってくれた売店のおばさんの笑顔が、一人旅出発の緊張を少しだけほぐしてくれた。
前日の飲み会で友人にもらった「お遍路手ぬぐい」を頭に巻き、今買った「菅笠」をSの助手席にかぶせ、いざ88箇所スタート!
87番
長尾寺
87番長尾寺(ながおじ)への道で早速迷う。
わが愛機には「ナビ」なんていう未来の道具は装備されていないため、旅の案内は「るるぶ 四国八十八箇所」と「まっぷる 中国・四国道路地図」に託されていた。この2冊、どちらも今回の旅にはあまりに対応しておらず旅の終わりまで私を悩ますことになる。
長尾寺は町の商店街にあるお寺。
86番
志度寺
広い敷地を持つ86番志度寺(しどじ)に到着。

本来お寺に到着すると

 @山門で一礼。
 A水屋で口と手を清める。

 B鐘をつく。
 C本堂にて札や写経を納め、読経する。
 D本堂以外のお堂(大師堂等)があれば参拝。
 E納経所で「朱印」をもらう。
 F帰りにも山門で一礼。

といった手順をふんで巡拝する。
しかしながらこんなことをやってるととても1日に十数件回ることは不可能。今回の旅ではBDEは省略し、Cも10秒程度合掌して拝むといったものにとどめた。普通巡拝の証としてEの朱印は欠かせないものではあるのだが、時間がかかるうえに有料なので今回は断念することに。
1回200円〜500円なので88箇所も回ると結構な金額になるのだ。高価なスタンプラリーには興味はなかった。
85番
八栗寺
3つほどクリアした時点で、地図的に密集したポイントでも結構寺間の移動に時間がかかることが明らかになってきた。
少しづつ焦りの色が。。。。
しかも85番八栗寺(やくりじ)はケーブルカーに乗り換えないと山の山頂にある本堂には行くことができない。
往復900円払って山頂へ行き、ダッシュで拝んで登ってきたそのケーブルカーで降りる。
途中ソフトクリームを購入する。しかし売店のおばちゃん、ソフトクリーム作るの下手すぎ。ターバンのようなソフトクリームを慌てて食う。

このお寺のふもとに「山田屋」という有名なうどん屋さんがあって是非行ってみたかったのだが、猛烈に混んでいたため時間的なことを考慮して横目でみながら素通りすることになってしまった。残念。。。。。(泣)
84番
屋島寺
おそらく屋島寺(やしまじ)は88箇所中もっとも大きなお寺だと思われる。ここもお寺にいくにはケーブルもしくは有料ドライブウェイを使わないと行けない。
ドライブウェイを選択し610円払って山頂へ。
壇ノ浦の古戦場など観光的要素の多いお寺だけに参拝客も多く賑わっていた。

このお寺のふもとにも「わら屋」というこれまた有名なうどん屋がある。もちろん素通り。。。。(号泣)
83番
一宮寺
ここまでずっと市街地をぬける主要道路を使っての移動だったため、お盆の渋滞も重なってなかなか思うように移動できず。
かなり迷って83番一宮寺(いちのみやじ)に着いた頃にはもう3時になろうとしていた。
空腹も限界となりお寺の近くにあった「黒田屋」といううどん屋さんに飛び込む。
どうやらチェーン店らしくあちこちにある店だったようだが、うどんはまあまあ美味かった♪おにぎりと合わせて400円♪レジで安価に驚く。
80番
国分寺
4時前になってまだクリアしたお寺は6寺。ヤバイ。
効率よく回るため83番の次に先に位置的に近い80番国分寺(こくぶんじ)をクリアすることに。車から降りてダッシュする脚に力が入る。。。

この時思ったのだが、脚を伸ばした三脚を胸の前で両手に持ち、迷彩服で駆け上がってくる姿はまるで米軍「海兵隊」のようであり、決してお遍路の姿ではなかった。
82番
根香寺
ここで満を持して四国名物の険しい山道が登場。
今までは市街地から少し入ったところにあるお寺ばかりだったが82番根香寺(ねごろじ)は細い山道を登りつめたところにある寺だった。
今後この「主要道路からわき道に逸れ、山道を山頂まで一気に駆け登る」というパターンが最もポピュラーとなる。
つづら折れの山道をビビりながらも爆走するS.。どうか対向車きませんように。。。。。とハンドルを握る手も自然と汗ばむ。

根香寺は「牛鬼」という妖怪の伝説があるお寺らしく山門の脇に牛鬼像が建っている。この像、造形は円谷プロか?と思わせる代物だった。
本堂は回廊になっていて、暗い廊下の中にろうそくのアンバーな明かりにぼんやりと無数の仏像群が浮かび上がっていた。
とても真摯な気持ちになれる幻想的な空間であったが、残念ながら先を急ぐ私にはその空間をじっくり楽しむ余裕はなかった。
81番
白峰寺
登ってきた山道を途中別ルートに方向を変え、しばらく行くと81番白峰寺(しろみねじ)がすぐに見つかる。
山門前にて車遍路を楽しんでいるらしい家族連れと出会う。母親と恩われる年配の女性が携帯でどこかのホテルに宿泊の電話をしていた。
聞こえてくる会話の内容から察するに、どうやらどこのホテルも満室でなかなか部屋がとれないようだった。
その有様を見ていて、ふと自分の宿のことが気になりだしてくる。1日にどれくらいの距離を進めるか分からなかったので事前には宿を手配していなかったのである。
ビジネスホテルのシングルならどこか空いてるだろうと思っていたのであまり気にしていなかったが、少々不安になってきたので本日行けるであろう丸亀市のビジネスホテルに連絡。幸いすんなりとOKだった。。。

宿は1日の終着地点を想定して手配しなければならないので、今後もその設定に悩まされることになる。目測を誤って設定するととんでもないことになるのだ。そう、とんでもないことに・・・・・。
79番
天皇寺
山道を降り終えて再び市街地へ。
神社だか寺だか判りにくい79番天皇寺(てんのうじ)をクリアした時点で夕闇が迫ってきていた。ここからホテルのある丸亀市まではすぐであった。
78番
郷照寺
ホテル付近まで一応到着したが本日のクリア目標にはまったく及んでいないためもう少し粘ることに。ホテルを通り越して78番へ。
この郷照寺(ごうしょうじ)がまた豪快に迷った!!!!狭い路地を何度も曲がった先にあるお寺。
迷惑になるので近隣の人に聞くことはできるだけ避けることにしていた。おそらく判り難い寺の周辺に住んでいる人は常に道を尋ねられていてウンザリしているだろうと思ったからだ。がしかし、この寺ばかりはさすがに聞かないと絶対到着することはできなかった。
公園で子供と遊んでいた奥さんがイヤな顔せずに親切丁寧な説明で教えてくれたのだった。

ボーボーいってるオープンカーからお遍路手ぬぐいにグラサン姿の迷彩服おっさんが近づいて来たんだから、あの奥さんもさぞかし恐かったろうなーと78番郷照寺の本堂で思うととであった。
77番
道隆寺
77番道隆寺(どうりゅうじ)で、とうとう日没を迎えてしまった。
こうなるとただでさえ判りにくい道しるべがまったく見えなくなり、ほとんど勘で探すかたちとなる。
見つかった時はラッキーって感じ(笑)。
76番
金倉寺
76番金倉寺(こんぞうじ)も運良く見つかったお寺。ここは拝観時間内に来ると駐車場代とられるところだったので逆にラッキーだったかもしれない。
しかし、夜のお寺はあまり気持ちの良いものではない。肝試し以外に日没にお寺の境内にいることなんてまずないのだから。
ただ、ここら辺はまだ市街地に近いところだからまだマシだったと後で思い知らされることになる。

1日目はここでギブアップ。体力の限界もあって少し戻って丸亀市「丸亀グランドホテル」というビジネスホテルに1泊。
ビジネスホテルなのでお風呂はシャワーのみだろうなと諦めていたが、このホテルは最上階に展望大浴場があったので旅の疲れを癒すことができた♪
ホテル近くの居酒屋で遅い夕食をとることに。「一世風靡セピア」にいた中野英雄そっくりの板前さんが少々恐かったが、生ビール2杯とアナゴの天ぷらでお遍路第一日目をきちんと締めくくることができた
その後ホテルへ戻って本日の行程を振り返り、血中を駆け回るビールの効能に朦朧としながらも旅日記を記す。
車高ギリギリで入った立体駐車場の中では、Sもしばしの休息だった。

本日 13寺クリア 残り75寺
京都〜四国丸亀市 402.9キロ走行。
 
豪雨の2日目 怒涛の愛媛路へ!
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