![]() 2003・08・13(水)〜2003・08・17(日) |
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お遍路二日目の朝は豪雨で始まった。 天候が心配されていたお盆休みであっただけに雨への驚きはなかったが、 二日目にしておしているスケジュールを考えるとこの日の悪天候には閉口せざるおえなかった。 前日の成果から判断すると本日は最低20寺はクリアしないと後々辛くなる。 宿泊地の本屋で新たに四国の地図「でっか字 四国道路地図」を購入。万全ではなかったが少しは改善された。 早朝6時。降りしきる雨の中75番善通寺へ。 |
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| 第1日目 第2日目 第3日目 第4日目 最終日 | ||
| GO! | 第2日目 | |
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75番 善通寺 |
コンビニで買った明太子オニギリをほうばりながらSを走らす。 朝一番でいきなり迷った75番善通寺(ぜんつうじ)は、町中にあるにも関わらずかなり広大な敷地面積をもつお寺だった。 雨という状況が想像以上にお遍路の歩みを拒む。雨天では夜間と同じく道しるべの発見が難しいのだ。 今回私のお遍路での巡拝の一連の作業としては、 ○ 車を駐車させた後三脚付のアナログカメラ&手持ちのデジタルカメラを装備し境内に駆け上がる。 ○ 境内ではわき目もふらず本堂へ向かい参拝し、三脚を立てタイマーで撮影。 ○ 撮影終了後ダッシュで車に戻り次の寺を目指す。 というのが基本的なパターンとなるのだが、この日のような天候ではそれに傘の装備がプラスされる。 幌を閉めたSの狭い室内において装備品を準備するのは思いのほか面倒であり(なにしろ助手席には数冊の地図やガイドブック、カメラ2台、コンビニで買ったおやつ&飲み物、タオル、ゴミ等が散乱していたので(笑))、そこに傘をさすというプロセスが加わるとそのうっとおしさは壮絶なものになる。 しかも本堂での撮影においては、雨のかからない場所にカメラを設置しなければいけないため、必然的に限定される構図に悩まなければならなかった。写真に寺の名前が入るように撮影するのにはそれなりに工夫がいったりするのだ。 幸い88箇所のお寺のほとんどに写真のような「小坊主」がお寺名を掲げて立っていてくれるので撮影時にはずいぶんお世話になった。 |
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74番 甲山寺 |
74番甲山寺(こうやまじ)〜72番曼荼羅寺(まんだらじ)と順調に発見。 雨天の早朝ということで人や車の通りはほとんど無く、おかげでお寺の山門に車を横付けできスピーディーな一連の作業となった。 73番「出釈迦寺」は「しゅっしゃかじ」と読む。 街が夜明けを迎えるが雨はさらに強くなってきた。 |
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73番 出釈迦寺 |
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72番 曼荼羅寺 |
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71番 弥谷寺 |
これまでのお寺は境内のそばに駐車場をもつお寺ばかりだったので、本堂までのダッシュもそれほど辛いものではなかった。 が、しかし、71番弥谷寺(いやだにじ)はそれを許さなかった。 狭い駐車場に車を止めた後颯爽と石段を駆け上っていったまではよかったが、今までなら数十段で終わるはずの石段がなかなか終わらない。 降りしきる雨の中、急勾配の階段を400段以上駆け上ることになってしまった。 山頂の本堂でへばっていると下のほうでお年寄りのご夫婦が石段に悪戦苦闘しているのが見えた。車の走る車道もケーブルも何もなく、札所に行くには自分の足で登って行くしかない。老齢であろうが病弱であろうが、祈願するために遍路を刻むにはそうするしかないのである。 近年お遍路は観光コースとして密かなブームになっていたりしているが、そういった本来の「修行」という一面も決して忘れられているわけではないのである。 「お遍路ころがし」という言葉があって、お遍路さんが挫折してしまう難所のことをそう呼ぶ。 この先、88箇所の行程に控えている数々の「お遍路ころがし」が、私とSに襲いかかってくることになる。 |
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70番 本山寺 |
逃げるように山から脱出し、再び市街地付近の札所へ向かう。 70番の本山寺(もとやまじ)では居合わせた高齢のお遍路さんと話しをすることができた。 「雨だと車でも大変だねえ」 「ああ、そうですね。でも歩いてる人や自転車なんかの人に比べたらやはり楽ですよ。」 「いや、どんな方法でもお遍路は辛いものだよ。歩いたから偉いとか車だから値打ちが無いとかそういうのは違う。」 「はあ。。。そんなもんですか。」 「お大師さん(空海)の通った道のりを巡拝していくことに意味がある。大事なのは道中に何を感じ、何を考えるかだ。」 なるほど。移動の手段が修行なんじゃなくて、移動の時間そのものが修行ということか。さすが本物のお遍路さんは違うな。 その言葉で「車遍路」に引け目を感じはじめていた私の気持ちが少し救われた。 |
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69番 観音寺 |
こ れは後から思ったことだが、香川県にある札所にはとても分かりやすい案内標識が境内の駐車場に備え付けてある。 順打ちはもちろん逆打ちも地図に区別して記載されており、しかも歩きと車の両方で判るようにしてある。 その標識に気づいてからは持っている地図ではなしにその標識で次を目指すことができた。 残念なのはこの標識がどの札所にも設置されているわけではなくて、札所のほとんどが前後の札所の道順など標していないのである。 おそらく札所のある各地方自治体や、またはそのお寺そのものの意識的財政的なものがこの差を生じさせているのであろう。 ちなみに私の持っていた「るるぶ 四国八十八箇所」に掲載されている各札所へのアクセス図は「歩き遍路用」のものと判明。道理でひたすら走った山道に突然車止めが出てくるわけだ(笑)。 69番観音寺(かんおんじ)と68番神恵院(じんねいいん)は同じ境内に隣接して建っている寺。一度で2箇所クリアのラッキーポイント♪ |
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68番 神恵院 |
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67番 大興寺 |
油断して67番大興寺(だいこうじ)へ行く道を豪快に間違う。逆方向に20分近くぶっ飛ばして走ってしまった。焦っているせいで方向感覚も麻痺してきた模様。 大幅にロスしてようやく発見した67番は山すそにある普通のお寺だった。 |
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66番 雲辺寺 |
街から少し高台に上るとそこには広い駐車場とロープウェイ乗り場があった。 今度はロープウェイを使わないと行けないお寺である。往復2000円のチケットを購入しいざ66番雲辺寺(うんぺんじ)へ。せっかくのロープウェイも豪雨のため視界ゼロ状態。おそらく晴天だとかなり絶景が拝めるのだろ。もちろんここも例にもれずダッシュで折り返して帰ってくる。 ああーもったいない。 ロープウェイではチケット窓口の女の子がそのまま搬機に同乗してきてガイドも勤めている。チケットを購入する際はそうは思わなかったのだが、このガイドさんの声がとてつもなく美声なのに驚いた。搬機が運行している間いろいろと案内してくれるわけだが、彼女のアナウンスを聞くだけででも雲辺寺を訪れる価値はあるだろうと思った(笑)。 駐車場にある売店で「焼きだんご」を売ってたのでゲット。単に餅に醤油をつけて焼いてあるだけのシンプルなものだったがこれがかなり美味かった。売ってた女の子もこの時暫定で四国一可愛いかった(笑)。 |
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65番 三角寺 |
お遍路には「お接待」というものがあって、地元の人が巡拝者に対して飲み物や食べ物を提供する善意の施しのことをこう呼ぶ。中には一夜の宿を提供してもらえたりすることもあるそうだ。休憩所や売店なんかで「お接待です」とお茶なんかを頂いたりするととても優しい気持ちになれた。 65番三角寺(さんかくじ)をクリアして香川県エリアやっと終了。愛媛県エリアの64番までは距離があったのでここは時間短縮を狙い高松自動車道で一気に愛媛県へ。 |
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64番 前神寺 |
ようやく愛媛県に突入! 高速を降りて給油を済ませ64番前神寺(まえがみじ)をクリア。 この時点でちょうど正午をまわっていたので昼食にありつくことにする。気がついてみれば午前中に10箇所もクリアしていた。いいペースである。 なんとなく入ってみた喫茶店「陣屋」。そこでうどん定食を注文した。やはり四国はうどんである♪ 暗い店内が豪雨で余計に暗くなって、とても寂しい気分になってしまったが、出てきたうどん定食のボリュームにはびっくりさせられた。 四国の人はどうやらうどんをオカズにご飯もたらふく食べるようだ。。。。。 満腹になりしっかりくつろいだ後、次の寺を目指して相変わらず激しく降る雨の中Sのアクセルを踏む。。 |
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60番 横峰寺 |
63番から60番までは地図上では隣接していたので、一番難所と思われるこ60番から回ることに。「嫌いなものから先に食べる」というやつである。あ、別に60番が嫌いというわけではないのだが。。。。。 この60番横峰寺(よこみねじ)はこの日最強の難所であった。おそらく八十八箇所中でも1・2を争う「お遍路ころがし」であろうと思われる。 冬季は閉鎖されるというから、かなりの高所に存在している札所ということは間違いないだろう。 車一台分ギリギリ幅の山道をどんどん登っていき対向車がくれば半分タイヤを落としながらすれ違う。 もうずいぶん登ったと思ったとき、なんとゲートのある山小屋が突然出現。 その山小屋の中から、この豪雨の中誰も来ないだろうと油断していたおじさんが面倒くさそうに近づいてきた。 いぶかしげに私を見下ろすおじさんの表情からは「この雨の中その車で寺に行く気か?」という思いが力いっぱい伝わってくる。 「停まれ」と道に大きく書かれたゲートのむこうにはさらに細くなっている山道が延々伸びているのが見えた。 半分くじけかけている私にそのおじさんの信じられない言葉が追い討ちをかける。 「1800円(税込み)です。」 料金所であった。マジで気絶しそうになった。 なぬーっ、こんな荒れ果てた山道が1800円となっー?しかも前方に見える道はほとんど雨で水没してるじゃねーかっ!(泣) しかし、ここまで来たら引っ込みもつかず、震える手で料金をおじさんに手渡し、ゲートをくぐって半泣き状態でさらに上へと向かうことになった。 それからの道のりのまた長いこと。Sもあんなに登りを走ったのはおそらく初めてだったであろう。急勾配すぎて裏返りそうな勢いだった。 そうこうしながらどうにか無事山頂につき一安心したのもつかの間、駐車場から本堂まで今度は山道を200メートル近く歩くことに。普段なら仕事がらそんな山道は平気であるのだが、悪天候の中、駆け足で山道200メートル往復はかなりきついものがあった。 汗と雨とでずぶ濡れになりなんとか参拝&撮影完了。そして再びあの道を戻る。。。。。。。。(下りはスリル3倍増し。) 登りで訪れた料金所を通過する際、あのおじさんが片手をあげて挨拶してくれた。 「よくぞ生きて帰ってきた。」という意味があの片手には込められていたに違いない。おじさんの片手に応えたSのクラクションが雨にむせぶ四国の山中に悲しくこだましていた。 この旅の過酷さがようやくわかってきたのであった。 |
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63番 吉祥寺 |
命からがら横峰さんから抜け出して、今度はうってかわって市街地の寺が続く。 横峰さんを経験したらこんなお寺なんかへっちゃらのぷーである。 63番吉祥寺(きちじょうじ)、61番宝寿寺(ほうじゅじ)はほとんど境内に車を停められるような小さな札所だったので、極端に言えば車内からでも巡拝できそうなくらいであった(笑)。 61番の香園寺(こうおんじ)の大聖堂はまったく寺の形をしておらず、巨大なビルのような感じで異様な雰囲気だった。 なんでも6億円もかけて建立したらしい。宗教法人はさすがに儲かるようだ。そんなに儲かるんなら横峰寺の道どうにかして欲しい。 ていうか無料にしやがれ。←まだこだわってる。 |
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62番 宝寿寺 |
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61番 香園寺 |
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59番 国分寺 |
61番から51番は距離があったのでまたまた有料道路で時間を稼ぐ。今治・小松道路で一気に今治市へ。しまなみ海道が目と鼻の先のところまできていた。 59番国分寺に行くのに途中通行止めになっていて迷ってしまう。通行止めの原因になっていた工事のガードマンのおじさんに道を聞いてみたのだが、いまいち何を言ってるのか理解不能。なんとか自力で発見し巡拝成功。 ガードマンのおじさん、あなたの言葉は方言なのか独自であみだした言葉なのかどっちですか? |
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58番 仙遊寺 |
58番仙遊寺(せんゆうじ)も引き続き迷う。 途中にあった雑貨屋のおばさんに道を聞くために80円でサインペンを買う。 それでもまだわからないので近くのスーパーでソフトクリームを買って店員のおばさんに道を聞く。 道を尋ねる時、別に何も買わなくてもよいのだが、なんとなく尋ねるだけでは悪いような気がしてしまうのだ。 ようやく58番を発見し、59番栄福寺(えいふくじ)も道中にあったので発見に至る。 巡拝中道を聞くたびになんか買っているので、道中かなりつまらないものが増えた。。。。。 |
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57番 栄福寺 |
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56番 泰山寺 |
この日の最終は高松で一泊を予定しているのでなんとか52番まではクリアしないといけなくなっていた。 58〜54番は市街地に比較的密集しており割りと短時間でクリアできた。 |
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55番 南光坊 |
今治駅のすぐ近くに56番南光坊(なんこうぼう)がある。 本堂の正面に風車が数本飾ってあり、なんとも物悲しい雰囲気をかもし出していた。 |
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54番 延命寺 |
今治市近辺最後の寺54番延命寺(えんめいじ)をクリアすると次の53番までは少し長い移動をしないといけない。53番52番とクリアすればそこは高松・道後温泉である。 信号待ちをしていると、前方にいかにも普通とは違うオーラを放ちまくっている白いセドリックを発見する。狭い旧道と片側2車線の大きな主要道路とが交わる交差点で、青信号になって主要道路へ右折発進した我がSに呼応するかの如く動き出す真っ白セドリック。 誰がどう見ても「覆面パトカー」だ。 よっぽど暇だったのか、Sを見つけるや否や「さあ出陣」とばかりにセドリックは後方から追従してきた。 そんなにギラギラしてたら小学生にも見つかるぞってくらい検挙モード全開のセドリックの中では、屈強な交通機動隊員2名が屋根からせり出してくるパトライトのスイッチに手をかけながら検挙の瞬間が訪れるのをまるで少女のように胸躍らせて待ち焦がれていたことであろう。 あんまり面白いので制限速度ちょうどで走り続けてやってみるS。すると、さすがにバレてることに気付いたのか猛然とSの横に並んできた。 ゆっくりと抜いていくセドリックの助手席には巨漢機動隊員がサイドガラスいっぱいの顔でこちらを睨んでいた。 「おいおい、恋人どうしでもそんなに長く見つめあわないぞっ。。。」と思いつつ睨み返してみる私。 ガンのくれあいは高校以来であった(笑)。故郷を遠く離れた四国の地で、甘酸っぱい青春の思い出が蘇りそうになるとは夢にも思わなかった。 しばらくして「なにさ、ふんっ いつか見てらっしゃいっ」と言ったかどうかは定かではないが、真っ白セドリックは次の獲物を求めて踵を返して消えていった。 四国を旅しているあいだ、この覆面のほかにも白バイ、シートベルト検問、ネズミ捕り、オービスとバラエティー豊かな交通取締りに遭遇する。 私は四国の道を運転していて「四国のドライバーはあまりスピード出したり追い抜いたりしないからじれったいけど、マナーはとてもいいなあ。」と思っていた。多分その背景にはこうした厳しい警察の取り締まりが影響しているのかもしれない。 |
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53番 円明寺 |
ひたすら走ったあげく迷った53番円明寺(えんみょうじ)。この時すでに7時をすぎており、やはり日が暮れると寺の発見精度も悪くなるようだ。 住宅地に隠れるようにして建っているお寺だった。境内で井戸端会議に夢中になっているおばさんたちをすり抜けて参拝。 |
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52番 太山寺 |
2日目最後の札所、52番太山寺(たいさんじ)。本日雨天にも関わらずなんと24箇所もクリアしていた。この調子なら完全制覇は間違いないであろうとこの時は確信していた。 十分な成果に満足し、本日の宿高松駅前「サンルートホテル」に向かう。本来なら道後温泉の旅館に泊まりたいところだが、やはり旅館の夕食に間に合うことができないためビジネスホテルに泊まることになった。 この日も駅前で居酒屋を見つけて夕食。この日の店は家族全員でやってるというようなアットホームな居酒屋で、大将の職人おやじのつくる刺身に思わず舌鼓であった♪実は味には定評のある店らしく私の隣には去年もこの店に訪れたという家族が座っていた。 70代前後だと思われる大将のいかにもよく働いているといった風な引き締まった二の腕を誉めると、自ら漁に出て食材を仕入れてくるのだと得意げに言う。調理の間に大将がこっそり口に含む地元の酒がやけに美味しそうだったので是非と懇願してみると、「特別サービスだぞ」と少し惜しげではあったがメイいっぱい湯飲みに酌んでくれた。 湯のみを慎重に口に運びまるで花嫁が祝言の杯にするが如く面持ちで飲んでみると、京都の酒とはまた違った芳醇な香りが口中に広がっていった。無言でその様子を見ている大将の口の端が片方だけ「どうだ、四国の酒は美味いだろ?」と少し上に曲がっているのが、楽しくもありまた悔しくも感じた。 この大将、もともと奈良の住人らしく酒も手伝って関西話で少しだけ盛り上がることに。なんでも京都には修学旅行で来たらしい。大将と修学旅行という言葉があまりにも繋がらなくて思わず大きな声で笑ってしまった。一体いつの話だろう(笑)。 車遍路で5日間の逆打ちの話をするとやはり驚かれて、店を出るときに若奥さんが「道中お気をつけて」と一言添えてくれた。 何気ない言葉だが、お遍路に対しては親身になってくれるという四国の人間の優しさがとても伝わってくる。 こういうのも「お接待」なのだと思った。 2日目 24箇所クリア 残り51寺 76番金倉寺〜52番太山寺 309.2キロ走行 |
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